福岡高齢協の松本副理事長にご案内頂き、岡元監事、埼玉高齢協の増田理事長と一緒に、福岡高齢協の4つの事業所を見学してきました。いずれも、この1,2年の間に、新たな事業拡大を行った事業所です。在宅での暮らしを支援するために、単なるデイサービスに留まらず、家族や本人の状況に応じて泊まりを実施しています。制度の不十分な点を補う活動が定着し、利用が増え、ニーズに応えるために、通所や宿泊スペースの拡大を余儀なくされているという状況です。

(1)けいちく事業所/ほのぼの村

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写真1

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写真2

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写真3

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写真4

 福岡高齢協の中で、宅老所という形を積極的に取り入れた最初の事業所です。通所・居宅介護・訪問の事業を行っています。通所事業は、利用者の増加に伴い、「第3ほのぼの」を昨年開所し、合計の通所定員は51名となっています。しかし、利用契約者は65名(内予防給付は8名)です。毎日のように利用する人が多数を占めているということです。どんな状況の利用者も断らないで取り組んだ結果です。毎日24人から30名の方が宿泊しています。「第1ほのぼの(写真1)」は普通の民家を改修したものです。その利用が急増し、隣接地を買収して造ったのが「第2ほのぼの(写真2)」です。木をふんだんに使った建築で、温かみを感じる建物です。この建設に必要な1.2億円の投資をめぐって、相当白熱した議論が理事会でもあったそうです。結果は「第3ほのぼの(写真3)」の建設からも明確で、利用は今後も増え続けるでしょう。職員層は30代~40代が主力で、子育て中の職員も多く、子どもたちも利用する場所になっています。中には、デイの仕事にボランティアとして関わっている子もいるようです。保育園の送迎車もやってくるということでした。職員の子育ても一緒にできる仕事ぶりは、地域に密着した高齢協の介護福祉に相応しいという感じでした。千坪を超える敷地前に立つ看板(写真4)

(2)ひまわり福祉サービス

 通所、居宅介護、訪問に取り組む事業所で、稲月専務が初代の所長を務めたところです。デイサービスは9名定員で、民家を利用しています。日差しがたっぷりと差し込む部屋でのデイサービスは、とても心地が良さそうです(写真5)。この家に隣接して数名が宿泊できる家が建っていました(写真6)。こちらは高齢協が国の補助を利用して建設したものです。現在4名の方が継続的に利用されているそうです。

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写真5

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写真6

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写真7

 道路を挟んで、居宅介護と訪問の事務所があり、同時に障害者の方が利用するケアホームがありました(写真7)。ケアホーム(共同生活介護)は主として夜間の生活を援助する自立支援法にある仕組みで、この2月1日にオープンしましたばかりです。現在お試しを含めて5、6人が共同生活を行っているということでした。部屋を見せてもらいましたが、それぞれ自分の好きなものを持ち込み、個性のある部屋になっていました。このケアホームの建設に5600万円が投資されました。その多くを、障害者を抱える家族が拠出(出資)しています。子どもたちの将来のケアを含めた安心を高齢協に託したということです。信頼関係の上に築かられた一つの結果だろうと思います。


(3)水巻事業所/あかとんぼ

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写真8

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写真9

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写真10

 事業を初めて5年。居宅介護と通所を営んでいます。この1,2年の間に、隣接する家を次々に借りることができ、「デイサービスあかとんぼ(写真8)」「宅老所あかとんぼ(写真9)」「宿泊施設(写真10)」と3軒の民家が並んでいます。宿泊施設は常時5、6人の利用となっています。更に隣に続く2世帯住宅を近く購入予定で、4軒続きの「あかとんぼ通り」が実現します。4軒続いて利用できるというのは偶然ですが、やはり拡大するという「計画」と、「求めている」というメッセージが地域に示されていたからこそ実現したのでしょう。4軒目はグループリビングのような住宅を考えているという話でした。泊まりを受けとめることは大変ですが、そうした地域や家族のニーズに応えることが、利用の増加につながっていることは明らかです。


(4)嘉飯事業所/にぎわい荘やまだ・ひゃくさいハウス

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写真12

 500坪の敷地に建つ民家が2棟、道路に面した賃貸住宅、日本庭園と呼んで良いような広い庭に、まず驚きます(写真11)。四季折々を楽しませてくれる木々は、丁度梅が咲き始めでした。2棟の建物は、1棟がデイサービス、もう一つが住宅として利用されています。デーサービスの名称が「にぎわい荘やまだ」、そして住宅として利用している建物が「ひゃくさいハウス(写真12)」です。

ひゃくさいハウスは、バブルの時期に土建関係の方が建てたものだそうで、玄関や座敷の作りはお金をかけた立派なものです。2階もあり相当広いのですが、現在は台所にもう一部屋を利用しているだけで十分ということでした。豪華な庭を含めて、地域のたまり場として今後の利用が楽しみな物件です。一人では暮らしに支障をきたすお年寄りが地域に増えており、高齢者住宅の必要性は高くなっています。政府もサービス付き高齢者住宅を増やそうとしています。補助金を利用するなら基準は必要でしょうが、基準の有無にこだわらず、「住宅が必要だと言う組合員のニーズに応える」という姿勢で取り組んでいます。(文責:坂林)