<h3[分科会1]子どもとお年寄りのいる風景

kodomotosiyori1.「また明日デイホーム」管理者:森田和道さんが‘支えられる存在から支え合う力を生出す存在へ’をテーマに発表された。デイホームはアパートの壁を取り除き、広い空間になっている。デイサービスで使用する高齢者スペース、保育園で使用するスペース、地域から遊びに来る人が使用できる共有スペースが真ん中にある。それぞれの場所に職員と3つの事業を統括するコーディネーターを配置し、施設利用者が自然な関わり合いができるように配慮している。

2.「ワーカーズコープ ルピナスときわ台」施設長:玉手千尋さんが‘地域で担う介護予防’をテーマに発表された。通所介護、予防通所介護、地域サロン事業を行う。事業所で見つけた課題に、子どもの育ちと高齢者の生活の分断、元気高齢者・特定高齢者・被介護保険者の行き場・介護者(家族)の不安をあげ、介護保険制度の枠の中では出来ない地域サロン事業の必要性を感じ活動を展開している。学童との継続的な交流と社会連帯活動(地域趣味サロン、体力測定会、介護予防サポーター養成講座、法律相談懇談会など)を通して介護予防の活動を行っている。

3.「生活クラブ生活協同組合・東京」副理事長:奥田雅子さんが‘多様な人々がともにつくるインクルーシブ地域社会’をテーマに発表された。子育てスペース「ピヨピヨひろば」は60代のスタッフ6名と元園長先生が支えている。高齢者の大会にピヨピヨ広場の子供たちが踊りに参加しているが、今後高齢者と子どもとの交流促進、お父さんの育児参加促進、ひろば卒業後のつながり促進、学童保育への参加を課題としている。

4.「岡山高齢者生活協同組合倉敷地域センター」理事:藤原佐紀子さんが‘高齢協が担う子育て支援’子育てサポーターの養成講座から始め、子育てサポーター事業「たんぽぽの里」を開始する。以上の取り組みが市に認められ子育てスペース「ピヨピヨひろば」がオープン。スタッフに60~70代の元園長先生2人と子育てサポーター養成講座修了生4人が関わっている。今後は一時預かり事業もスタートする予定。

記録/三宅貴子

[分科会2] 専門家が提供する生活支援技術

講師  佐藤ちよみ氏(対人援助スキルアップ研究所・所長)

<訪問介護の専門家が提供する生活支援技術とは>~訪問介護の専門性を可視化しましょう~

1)介護保険制度改正について

>skill「介護職の喀痰吸引・・」は、医行為上でのリスク等を話される。「定期巡回随時対応型訪問介護看護・・」24時間、NSとヘルパーが連携する包括的サービスをモデル事業として検証、財源も市区町村とする事に対して「不明瞭な日常生活支援・いかに専門家が提供する生活支援が重要か」具体例を交え説明された。

2)介護支援専門員の役割とサービス及びサービス提供責任者の役割について

「ヘルパーが在宅に行くまでのプロセスについて」
「利用者はどうしたいのか?」CMがその内容を十分に引き出し、サービス提供責任者が引き継ぎ導く。これらの事前訪問・アセスメントの重要性について細かに説明される。

3)事例から考える・ケア手順を可視化しましょう

 「あなた(利用者)らしさに寄り添う為には?」生活支援は家事援助ではなく生活支援技術である。実際に参加者に自宅のお風呂掃除を想定して「手順はどうする?」書いて話してもらう。〝老計第十号“(訪問介護におけるサービス行為ごとの区分)に基づき、手順と言ってもドアが引き戸?押し戸?などヘルパーは考えると言う専門性。トイレ介助と言っても全てのヘルパーが統一されなければならない。ヘルパーの価値観はその人(利用者)の価値観ではない事等を具体的に説かれた。

記録/大橋正三

[分科会3]新しい公共の未来

パネルディスカッションでの討議で印象に残ったこと(職員の育成と質の向上に対する障害)

mirai 自分たちの指定管理業者としての仕事の評価は、主体である利用者・市民の評価が優先すべきものと思う。その意味から、利用者・市民に職員が行なっている仕事や事業に対するアンケートを行なってもらっている。一歩すすんで、市民にサポートの会を結成してもらい、年数回会議を開いて意見も聞くこともある。そのアンケート結果や意見を自治体にフィードバックしている。高い評価を受けるためには、職員の仕事の質を高めることは当然であり、そのための研修に費用をかけなくてはならない。ところが近頃、指定管理に応募する会社・団体が少なくなっている。恐らく自治体から支払われる指定管理の金額に研修費用が考慮されていないからではないかという気がする。努力してもインセンティブがない仕事には魅力がない。

 また、指定管理の契約期間が3年や5年というのが大半であり、契約期間が終了すれば、指定管理者が交代するため、職員が失職する可能性がある。その不安から、優秀な職員が育たない弊害も発生している。指定管理の期間が10年などの長期になることが望ましい。

記録/花村芳郎

[分科会4]家族にとっての介護

● 講義「介護保険を活かして在宅で暮らし続ける為に」

講師 服部 万里子(立教大学 コミュニティ社会福祉部教授)

kaigo 人口減少、高齢社会の進行に伴い、高齢期を自分らしく暮らすにはどうしたら良いのか・・。介護保険11年目の在宅介護の現状は認定者が500万人を突破している。近距離、遠距離、施設、同居家族、それぞれの介護負担感は多大なものがあり、経済的、時間的負担が重くのしかかっている。負担軽減の為にケアマネジメント、地域サービスの活用、介護分担を考える必要がある。サービス導入には知識や経験のない家族には使用法の伝授、調整が不可欠である。また、社会的な孤立、過剰な身体的負担、社会的呪縛からのプレッシャー、家族間の摩擦等をなくす事が今後のコミュニティの課題である。

● 報告とディスカッション

 働きながら介護する家族は契約までが大変である。制度が理解できない、介護職員が家族の心理をきちんと読み取れていない、専門用語を羅列するだけになっている等、家族が理解できないまま契約に至ってしまう現状の報告があった。

 在宅で療養する現在の状況については、家族ができる事は何か問題は山積しており、介護保険サービスのみでは支えきれない。また医療ケアは基本的に介護職員には認められておらず、制度の改正を強く望んでいる家族も多い。

 24年の介護保険改正に向けては、介護保険を利用する当事者や家族が置き去りにならない為に、自治体への働きかけが最も重要であるとの報告があった。

記録/世田谷訪問介護・青い空 永吉伶子