東日本大震災からの復興
100年後の未来に、生命と地球を引き継ぐために。

 生命の歴史は40億年ともいわれている。隕石の衝突や火山の大噴火、天候の急激な変化などの危機を越えて生命は引き継がれてきた。人類が誕生してからも、多くの自然災害が生命をおびやかし、戦争や森林破壊などの愚行によっても、多くの生命が犠牲になり、築かれた文明が消えている。それでも人類は生命をつなぎ、今日の文明を築いてきた。しかし、高度に発展したと思うこの文明も永遠でないことを私たちは知っている。

 1945年8月、人類は歴史上初めて「核」を殺戮に使い、一瞬のうちに生命と生活を奪い去り、長きにわたり被爆者に苦しみを与えることになった。再びその惨劇を繰り返さないための、核廃絶の願いは、実現していない。さらに、生命や文明の危機は核兵器だけではない。私たちが求めた豊かな生活は、自然から収奪を繰り返し、環境を破壊し、多くの多様な生命を葬り続けている。そして、人類自らの生命の危機を招いている。

 3・11原発震災は、象徴的な出来事である。平和利用に名を変えた核開発が進み、日本国内では54基、世界には400基を超える原発が存在する。安価で安定的に安全に電力を供給できる仕組みだと、今なお開発を続けようとしている。しかし、私たちは、新たな建設を絶対に許すことはできない。制御を失った核が如何に生命と文明に対する脅威であるのか、私たち日本人は再び肌身で知ることとなった。悲劇を生まないためには、核兵器も原発も廃絶する以外に方法はない。

 私たちは、飢餓のない安全な暮らしを求めて文明を発展させてきた。20世紀は、資本の仕組みがその豊かな暮らしを実現する手段だった。世紀末から今日にかけて、資本が豊かで快適な暮らしを演出し、先進国にモノがあふれる暮らしをつくりだした。そして、今や資本自らが増殖するための仕組みに主客が転倒してしまっている。その結果、貧富の差が拡大し、自然破壊が進み、大量のエネルギーを求めて原発への依存度が急速に拡大している。自己増殖する資本の仕組みを見直し、モノがあふれる生活から決別し、100年後の未来に、生命と地球を引き継ぐ責任ある社会をつくらねばならない。

 3・11後の被災地には、資本とは無関係に、人々ができることで支え合う姿がある。この支え合いの気持ちが協同と連帯の原点だ。大切に育てたいと思う。私たち高齢協は、長寿を実現した日本社会の中にあって、多くの高齢者の活躍の場を、仕事・生きがい・福祉の分野で、協同労働で沢山つくりたいと活動している。そして、全ての高齢者が尊厳ある老後を全うする社会をつくりたいと思っている。

 少子高齢社会・人口減少社会に入った日本の未来を考えるなら、それを実現し、支えるのは高齢者自身でなければならないだろう。高齢者には、貴重な経験と知識、そして培ってきた生きる知恵がある。この高齢者の力を糾合し、私たち高齢協連合会は、全国の仲間と一緒に、3・11からの復興と協同と連帯のある社会のために、全力で取り組む決意である。

2011年6月5日
日本高齢者生活協同組合連合会 第10回東京総会